【業務改善助成金】特例コースが令和4年度も継続 締め切りは令和4年7月29日まで

令和3年度10月に改訂された最低賃金額ですが、全ての都道府県において28円~32円引き上げられ、コロナ禍で売り上げが減少している事業が多い中にもかかわらず、大幅アップとなりました(「令和3年度地域別最低賃金改定状況」はこちらからご覧いただけます)。

一方、これに呼応するように、厚生労働省は令和3年8月から業務改善助成金の対象となる設備投資の範囲の拡大や 、対象人数の拡大、助成上限額の引き上げを行うなど、使い勝手の向上を図ることを発表しました。

さらに、令和4年1月から新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者向けに「特例コース」も設けられました。

この記事では、1月からの特例コースについてのポイントを社会保険労務士が紹介します。

業務改善助成金とは

業務改善助成金について、ざっくり説明します。 

業務改善助成金を申請するには、生産性向上のための設備投資を行い、事業所内の最低賃金を引き上げることが要件になっています。生産性向上のための設備投資とは、機械設備、POS システム等の導入や人材育成に係る研修、業務改善のためのコンサルティングなどです。具体的な導入事例は、記事の中でご紹介します。

助成金の概要や手続き方法などは、厚生労働省の動画がとても分かりやすいので、詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

厚生労働省HP:業務改善助成金のご案内その1 概要編

厚生労働省HP:業務改善助成金のご案内その2 手続き編 

通常コースの令和3年8月以降の改正点、具体的導入事例などについては、こちらの記事をご覧ください。

特例コースが対象となる事業者とは

業務改善助成金の特例コースが対象となる事業者とは、以下の両方を満たす必要があります。

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により、「売上高または生産量等を示す指標の令和3年4月から同年12月までの間の連続した任意の3か月間の平均値」が、前年または前々年同期に比べ、30%以上減少している事業者
  • 令和3年7月16日から同年12月末までの間に事業場内最低賃金を30円以上引き上げていること(引き上げ前の事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内の事業場に限ります。)

特例コースの特徴は ー通常コースとの違いー

では、特例コースは令和3年8月からの業務改善助成金(通常コース)とは、どのような違いがあるのでしょうか。

賃金引き上げのタイミング

特例コースでは、既に30円以上の賃金の引き上げを行っている場合でも、申請することができます。そのため、令和3年10月の最低賃金の引き上げに合わせて、賃金を引き上げた事業所でも、これから申請することができます。

そのため、賃金引上計画の作成の必要がありません。

関連する経費も助成の対象に

通常コースでは、業務改善助成金を申請するには、生産性向上のための設備投資を行い、事業所内の最低賃金を引き上げることが要件になっています。この設備投資ですが、これまで対象外とされていた車両の購入やパソコン、タブレットなどの端末の新規導入も助成の対象となりました(条件あり)。

特例コースでは、 「生産性向上等に役立つ設備投資等」に加え、それに「関連する経費」も対象になっています。具体例は下記のイラストをご覧ください。

特例コース活用事例1
特例コース活用事例2

厚生労働省「業務改善助成金の特例コースの活用例」より抜粋

ただし、「関連する経費」は生産性向上等に資する設備投資等の額を上回らない範囲に限られます。また、事務所借料、光熱費、賃金、交際費、消耗品などは助成対象となりません。

助成額率は一律、上限は賃金を引き上げた労働者のは人数

通常コースでは、助成率は生産条件などによって変わりましたが、特例コースは一律3/4です。

また、助成額の上限は、通常コースでは引き上げた金額やによって助成額の上限が違っていましたが、特例コースでは賃金を引き上げた労働者の人数のみで決まります。

引き上げた労働者数上限額
1人30万円
2~3人50万円
4~6人70万円
7人以上100万円
特例コース上限額

通常コースと対比してみると、30円コースの1~7人と同じ上限額となっています。今回、特例コースに該当数する事業主の方は、引き上げた賃金額が30円だった場合は、特例コースの方が手軽に申請することができますので、特例コースの活用を検討してみるといいでしょう。

まとめ

以上、業務改善助成金の特例コースについて簡単に見てきました。ご自身の会社で、特例コースに該当される場合は、この特例コースを検討されてみてはいかがでしょうか。

令和3年度の業務改善助成金の申請締め切りは、令和4年3月31日まででしたが、令和4年度も継続することになりました。令和4年度分の締め切りは令和4年7月29日までです。予算内での募集ですので、期限前に募集が締め切られる場合がありますので、お早めに申請されることをおすすめします。